不登校の生徒は入塾させない

ワンオペ塾のumaです。小さな学習塾経営で生きていくアイデアを発信しています。

今日は「不登校の生徒を入塾させてもうまくいかなかった」というお話です。傲慢な話に感じる方も多いでしょうが、あくまで僕の失敗談として「僕の塾ではこうだった」「なので今はこうしている」というお話です。

社会論ではなく、塾経営論です。異論は承知の上で説明していきます。

北海道のuma
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もちろん、不登校の生徒を積極的に支援している塾は絶対必要です!

不登校の生徒は成績を上げられない

入塾お問合せの段階で「実は学校に行けてないんです」というパターンはたまにありますよね。こちらとしては「もちろん、学校でできない対応をしっかりするのが塾の役割です!」「まかせてください!」と言いたいところですし、僕もそうしてきました。

しかし、入塾してもらうとすぐに「やる気が減退」します。当然です。学校の授業を受けていないわけですから、きちんと学校に行っている生徒のようには成果を上げられません。

不登校であっても何とか学校の定期テストは受けて、ひとつでも成績を上げたいはずです。しかし上記の理由から、いくら塾でがんばっても思う通りには結果が出せません。やっている本人は「努力が報われていない」と思い、モチベーションの維持が困難になります。

不登校の生徒は特殊対応が必要

不登校の理由として「友人関係がうまくいかず」というのがあります。そういう子は塾に来ても「◎◎さんが来ている曜日には行けない」「同じ学校の生徒がいるコマを避けて通いたい」と言ってきたり、中には「平日の早い時間に通いたい」という要望も今まで受けたことがあります。

僕も当初は、できる限りの対応をしました。ただ、他の生徒より日常業務が確実に増します。個別にやりとりするだけでも時間がとられますので、「同じ授業料」でサービスするには(あえてイヤな表現を使いますが)割に合わないです。

塾経営している大半の方は「世のため人のため」という奉仕の心を持っていると思いますが、僕は「個人塾は効率経営こそ最優先」と考えます。

ビジネスライクな印象を持たれるかもしれませんが、塾を続けていくためにはしっかり「利益」を出さなければなりません。ボランティア精神だけでは今のサービスを続けられません。

不登校の生徒は塾が続かない

学校に行っていないわけですから、その分塾での時間数を増やす必要があります。しかし不登校の子は不登校の理由によらず大半が「勉強が負担」「習っていないから全部教えてもらわないと分からない」ですから、こちらが「必要と考える量」をこなすことが困難です。

すぐに「やってほしい量」「やれる量」のミスマッチが起こり、宿題をやってこなかったり塾も休みがちになります。結局は入塾から数カ月で退塾・・・というケースが僕の塾では山ほどありました。

なので、今はお問合せ面談時に不登校であることが分かった場合、本人の動機が強くない限りはお引き取りいただいています。もちろん「とりあえず週1回で・・・」なんていうのはもってのほかです。

安心を買うために塾に入れたい?

「成績は上がらなくていいんです」「学校に行かない分、少しでも塾でわかるようになれば」と言われる場合もあります。親御さんの気持ちもわかります。安心を買いたい、居場所を作ってあげたいんですね。それならば、と対応したくなりますがこれも大半はうまくいきませんでした。

何のための勉強か・・・ここを本人と保護者が合意形成できていて、その結果「塾を利用する」と行動されていればいいのですが、その「動機付け」が弱いと努力が持続しません。

数カ月で辞めてしまえば、ただただ「挫折感」が残るだけです。かなりの確率でこうなりますから、どれだけ生徒の役に立てたのだろうか、とこちらも挫折感に苛まれます。

また、講習会やテスト対策・模擬テストなどの受講も不要でしょうから、単価の低い顧客となります。塾経営上、このような生徒を複数抱えてしまうと時間ばかりがかかり、その割に売上が思うように伸びなくなります。

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ワンオペ個人塾はマンパワーが限定されます。「やらないこと」を決めておきましょう!

現塾生が不登校になったら

現塾生が不登校になってしまったら・・・できるだけ保護者と連絡を密にして、塾としてできるだけの対応はします。ただし、これもあまり「うまくいったケース」は少なく、結局退塾していきました。

なので、今は「学校の授業が基本です」「学校が負担であれば、塾に通うのも負担感があるのではないでしょうか」「週〇回で、それぞれ宿題が出ます。講習会も受けてもらいます。それをやりきる自信があるかどうか、ご本人とご家庭でよく考えてみてください」と覚悟を求めています。

大半の生徒は、「自信が無いので辞めます・・・」という流れになるのですが。

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もちろん、それでもOK!というなら喜んでご通塾いただきます!