個別指導塾の「振替授業」問題

塾経営

授業当日の欠席連絡は「自習席」へ

個別指導塾は、欠席者の振替授業を無制限に受け入れてはいけません。

これでは「振替の振替」「振替が取り切れず教室長の担当授業が増える」など、余計な手間がかかって仕方ありません。

ここにも書きましたが、うちの塾ではルールとして

・欠席連絡は「前日まで」受けたものは個別指導で振替
・授業当日の連絡による欠席は「自習席」で対応(授業の対人数に含めない)
・振替の「自習席」では質問応対はしない(質問があれば後日授業の際に応対)

としています。これで、次のような効果が期待できます。

・授業当日の連絡による欠席者は、通常授業の生徒人数にカウントされない(自習席に来させることで人件費の加算は無し)
・むやみやたらに「振替」を求めてくる保護者も少なくなる

とはいえ、

「授業料を払っているのに欠席分は自習対応なんて!」
「体調不良でも振替授業をしてもらえないなんて!」

などと反発が出そうですが、この辺は入会時に説明(口頭でも書面でも)しておけば問題ありません。

これでクレームが来たのは過去1回だけ。

北海道のuma
北海道のuma

激おこでしたが、淡々と説明し納得してくれました。今も通塾してくれています。

体調不良でも振替不可とする理由

体調不良が原因でも、授業当日の欠席連絡は同様に「自習席」での振替対応にします。

もしここで「体調不良は可」としてしまうと、どんな理由の欠席でも必ず体調不良を理由にしてきます。親も子も、その方が得ですよね。

・なんとなく行きたくない
・宿題が間に合わない
・定期テスト前だから家にこもって勉強したい

など、全部「体調不良」とされてしまいます。体調不良の「ほんとうか」「うそか」など、こちらは判断できません。なので、最初から「どんな理由でも不可」とすべきです。

ルールは徹底しましょう。例外を認めるとクレームにつながります(昔はしてもらえた・Aさんはしてもらえたと聞いた等)。

ただし、「家族に発熱者がいる」「通えるが微熱がある」など、通ってもらっては困るケースでは、塾側の意志で通塾を控えてもらいましょう。その場合は特殊対応(当日連絡でも個別指導で振替)でよいと思います。また天災や急な不幸は特殊対応、学校の学級閉鎖はご家庭の判断で休む場合は特殊対応でいいと思いますが、いずれも明文化しておき入会時のご案内に盛り込みましょう。

自習対応の振替では何をやらせるか

自習席では「自由に質問していいよ」としている塾もあると思います。

しかし、うちのように「ワンオペ塾」だと、それをすると直接授業担当している生徒を回れなくなります。

そこで、以下のようにあらかじめ指示しておきます。

・解答解説を渡しておき、宿題の自己採点と追加演習をする
・質問箇所に印をいれてもらい、次回個別指導の際に質問する
(この辺のルールは明文化し座席前に掲示)
・通常授業と同じ時間、自習席で勉強してもらう
・早く終わったら次の宿題をやる

担当授業に余裕があるときは自習席を巡回し、質問応対します。(あくまで余裕があるときだけ)

個別指導の振替日は自由選択させない

前日までの欠席連絡であっても、保護者から受けた際は自由選択させてはいけません。それがクセになり、いつでも自由に選べるという習慣が身につき、安易な理由ですぐに授業日変更をしてくるようになります。あとになってから自由選択が難しいことを伝えても「以前はできたのに!」「生徒が増えてくると扱いが雑になってきた!」とクレームをつけられてしまいます。

欠席連絡を受けた際、相手から日時を指定されても「現在の空席はこちらです」と時間割エクセルデータをLINEに添付し、その中から選んでもらうようにしましょう。

やりとりはすべてLINEが効率的です。電話だと授業中のやり取りが発生してしまいます。

講師を使っている教室は、決して「振替のためにわざわざ講師を呼ぶ」ことのないように。余計な人件費をかけてしまえば「本来の授業日+振替日」で、ダブルの人件費がかかります。なのに売上はプラスされません。経営を圧迫しますのでご注意を。

ルールが受け入れないお客様には辞めてもらう

「他の塾では振替が自由なのに」「体調不良でも個別指導の振替ができないなんて」と入会時の案内で言ってくる保護者もいるかもしれません。また、いくら入会時に説明しても、入会後に文句を言ってくるケースもあるかもしれません。

しかしそれを理由で未入会または途中退塾になっても仕方ないです。こちらとしてはモヤモヤが残るでしょうが、どんなに注意していても起きてしまう事故のようなもの。そういうお客様は今後の憂いになりますので、残念ですがお引き取りいただきましょう。

ルールを守って通塾してくれている生徒・保護者へのサービスが優先です。