ワンオペ塾のumaです。小さな学習塾経営で生きていくアイデアを発信しています。
今日は、「塾講師の予習ってギャラ発生させる?」ってお話です。
僕は「ワンオペ」なのでこの問題は考える必要がないのですが、人を雇っていた法人時代にすごく苦労しました。そのころを思い出しながら考察したいと思います。
塾側の指示なら時給発生
塾側の指示なら、拘束時間が発生しますから当然時給は発生させるのが本筋かと。ただ、悩ましいですよね。
①講師のスキルによって予習時間が異なる
②低スキルの講師ほど予習が必要であり、時給が多くなる
③教室でダラダラ予習して時間稼ぎも可能
④テキスト持ち帰りで自宅勉強では時給管理ができない
などの問題が。(ここでは固定給の正社員講師は除く「時間給の講師」のお話です)
授業給と業務給に分けた時給管理
おそらく授業給は他の一般的アルバイトよりは高額なのが塾講師ですよね。これと同額の時給を「予習時間」に対して払うことはかなり難しい。
何せ予習時間は「売り上げを発生させていない時間」ですからね。雇用主としては「そんなの個人のスキルアップとして自助努力が当然だ!」と言いたいところですが(昔の塾はみんなそう)、今の時代そんなわけにもいきません。(それでは講師が集まらない)
そこでかつてのumaの塾では、時給を分けていました。ポスティング用(昔はやっていました)のチラシを折ったり、年度頭の大量テキストの検品などの「業務」に対して「業務給」という安めの時間給を作り、予習時間はそれと同様の扱いにしていました。
ただし、「いくらでも」「何時間でも」となると、上記③のような無秩序なケースも出かねませんので、1日〇時間までというルールで運用。
学生アルバイトだと、いくら「投資」しても結局2~3年で退職・・・せつない。
低スキルと高スキルの講師の差別化
在籍年数の多い高スキル講師は、ほとんど予習はいらずに授業ができたりします。そうすると予習による時給は発生しない代わりに、時給をアップさせる必要がありますよね。不公平感が出ないように、見極めなければなりません。
この辺のマネジメントが、塾ってすごく難しいですよね。
また、高スキルの講師ほど「別にギャラはいらないから、家で自己研鑽のために勉強したい。テキストを借りたい」などと言ってくれます。本当にありがたい!テキスト会社からのサンプルなどを貸し出し用にして、どんどん協力してもらいましょう。
もちろんそういう「戦力」は優先的にシフト依頼したり(稼ぎたいひとが多いので)、時給アップの頻度をあげて「見返り」で還元していました。
予習不要の仕組み化が可能か
講師による差がでないよう、授業の質を維持するためにも塾側が「解説書」のようなものを事前につくり、すべての講師にたいして「これをもとに授業やってね」という形をとっていた時期もありました。
圧倒的に手間がかかりますが・・・
でも、umaの塾ではうまくいきませんでした。というのも、
①すべての解説を明記しても、初見では授業が難しい(数学の証明・理科の実験・英語の長文)
②結局、テキスト内容をザッと見ておく必要がある
③解説書をあてにして教室入室が授業直前になる講師が出てくる
などなど。たくさんの講師を雇うと、まぁ感覚がさまざまですから大変ですよね。「それなりに時給を出しているんだから、これくらいは負担してほしいなぁ」というのが正直なところですが、やっぱりルールを決めておかないとトラブルの元になります。
結局は「コミュニケーションの力」が試される
時給のルールをいくらガッチリ作っても、結局講師管理がうまくいくポイントは教室長のキャラクターやコミュニケーション能力次第。
「阿吽の呼吸」のように講師と「いかに一緒に教室を盛り上げていけるか」という文化を醸成できるか。やりがい搾取と言われない「講師の参画意識」を高められるか。そんな教室長の「人間性」こそが職場を円滑にするのでしょう。
この再現性の難しい課題にしっかり向き合い成功した教室長こそが、「生徒100人規模」「講師10人以上」などの大規模教室をやりくりできるのだと思います。会社として仕組み化できている塾が、いったいどれだけあるんでしょうかね。
僕には無理だった・・・
成功している塾はうらやましいなぁと思いつつ、umaは自分の身の丈に合わせた「ワンオペ個人塾」を続けていくことにします!