少子化でも維持できる塾経営

学習塾の独立開業を支援するumaです。北海道で学習塾勤務10年、ワンオペ個別指導塾15年やっています。独立して悠々自適な生活を手に入れました。

今日は少子化社会における学習塾の「生き残り戦略」を取り上げます。

少子化を具体的にとらえる

少子化が叫ばれる中「学習塾の経営は厳しくなる!」など、もう20年前から言われていることです。

一方で「子どもの数が減るが、1世帯あたりの親が1人の子どもにかけられる教育費の単価は増す」という考えから、高単価の塾とりわけ個別指導塾が一定のニーズをとらえて教室数を伸ばしだしたのも、この頃からです。

しかし、子どもの数が減っている事実には変わりません。当然、学習塾は「パイの取り合い」となります。

少子化を漠然ととらえるのではなく、具体的に数値で見ればその深刻度が明確になります。

2020年から15年かけて、10~14歳は4/3に減少

この確定した事実に向き合う塾経営ができなければ、市場から退場するしかありません。

大人数を集める前提の経営からの転換

ではどうするか。

まず「大人数を集めることが前提」となる経営から、早くに転換しなければなりません。

立派なテナント・高コストの設備・派手で量の多い折り込みチラシ・講習会ごとの割引など、コスト高につながる営業行動はすべて「生徒数を集めること」が前提となった経営戦略です。

また、潤沢に正社員を集めて管理職を増やし、労働分配率の高い塾も行き詰まるのではないでしょうか。日本では簡単にレイオフできませんし、労働時間・給与設定などの条件改悪は労使トラブルにつながります。人を雇うことのリスクが今後増していくと思われます。

子どもの数が3/4になるわけですから、単純に「自塾の生徒が今から3/4になった場合」を想定して、それでも経営維持できる規模にダウンサイジングしつつ、利益は確保できる体制にシフトチェンジすべきではないでしょうか。

・設備投資を圧縮
・人的投資を圧縮

コスト削減と同時に自塾がもっとも売上を伸ばしているサービスは何かを吟味します。そのボリュームゾーンにしぼって経営資源を投入する「リストラ」を早急に進める必要があります。

大手塾がなぜ不動産経営?

次に、大手塾の経営戦略を見てみましょう。

僕は北海道に住んでいますが、北海道の最大手といえば「北大学力増進会」です。この塾は個別指導もやっていますが、メインは一斉形式のライブ授業。その経営母体「進学会ホールディングス」はすでに学習塾経営から不動産経営にシフトチェンジしています。

進学会ホールディングス (9760) : 決算情報・業績 [SHCO] - みんかぶ(旧みんなの株式)
進学会ホールディングス(9760)の決算発表情報。前期実績・前々期実績と比較して増益・減益など企業の業績をわかりやすくお知らせします。直近決算期:2023年3月期(連)【売上高】6,665百万円【当期純利益】-1,630百万円【自己資本比率...

本業でのキャッシュ(営業CF)はマイナス、一方で投資によるキャッシュ(投資CF)がプラスになっています。つまり本業では現金が流出(赤字)している中で、投資や賃貸事業での利益や本業の学習塾で持っていた不動産資産を一部売却しながら埋め合わせをし、本業の規模を縮小していると考えられます。(そのうちMBOで非上場化するかもしれませんね)

大手塾でさえ、生き残りをかけて先を見越し変化しています。小規模塾大手よりも機動性に勝るはずですから、経営の転換はスムーズにいくはず。経営者の覚悟次第です。

進化論で有名なダーウィンの言葉、 『最も強いものが生き残るのではない。最も変化に敏感なものが生き残る』が想起されます。

「何でもやる塾」からの転換

例えば英検対策だと級をとって講座は終了。中学受験も受験が終わったら退塾。不登校や学習障害を対象とすると、専門知識が必要でクラス運営も特殊対応が必要です。

もし、こちらのマンパワーがあればそういったスポット利用や特殊ニーズの生徒も対応できるのが理想ですし、地域にも必要とされる塾として重宝されます。

ただし、そうではない一般的な「学校の成績を上げたい」「高校受験に対応してもらいたい」という生徒がボリュームゾーンでしょうから、いっそのこと「何をやるか」より「やらないこと」を決めて、ボリュームゾーンに限られた労力をつぎ込む方が小規模塾の経営として合理的と考えます。

北海道のuma
北海道のuma

うちの塾は公立高校の受験のみ対応しています。扱う教材も最低限にし、授業準備も効率化しています。

この辺はもちろん、「どういう塾をつくりたいか」という哲学に根差したものでしょうから、考え方はさまざまだと思います。ただこのポストでは「再現性の高い」「一般論として」のアイデアを例示したいという趣旨ですので、ご理解いただいたうえで参考になれば幸いです。

うちはワンオペ個人塾として、コンパクト経営で生き残る戦略を掲げています。よろしければ、こちらのポストものぞいてみてください。

(PR)塾講師にオススメのお掃除グッズ

学習塾で働いていると、お風呂に入るのも家族で最後ですよね。一人暮らしならなおさら、夜のお風呂掃除って大変ですよね。

んで、このグッズをご紹介。お風呂の床掃除が圧倒的に楽になりました。洗剤無しでも軽くこするだけで、床がきれいに。見た目の汚れが無くても、これをすると「足ざわり」が違うので、案外よごれているものなんですね。

マグネット式なので、使い終わったら浴場の壁に貼り付けて乾燥させられます。よかったら是非!

北海道のuma
北海道のuma

amazonだと1,000円もしないので助かります。

https://amzn.to/4dsiOSy