学習塾の独立開業を支援するumaです。北海道で学習塾勤務10年、ワンオペ個別指導塾15年やっています。独立して悠々自適な生活を手に入れました。
今日は個別指導塾における超重要な「欠席時の振替どうする問題」を取り上げます。
欠席時の振替授業は「自由選択」にしない!
個別指導塾の運営でネックになってくるのが「欠席時の振替授業の運用」です。これが無秩序になってはいけません。
振替自由のデメリットは以下の3点。
業務時間が奪われる
僕も昔勤めた塾では「体調不良はすべて振替可」としていたので、なんでもかんでも「体調不良」にして適当な日に振替また振替・・・と、振替授業の案内だけで途方もない時間を奪われていました。
かつては振替案内もすべて電話でのやり取りで決めていました。授業時間に対応したり、折り返しの電話がつながらず、何度もかけ直したり・・・果てしなく徒労でした。
人件費が奪われる
親御さんにとっては「授業料を払っているのだから、体調不良なら当然別日に受けられる」「個別指導だし、できるでしょ?」というのが本音でしょう。
しかし塾側からすると、当日準備していた講師の担当生徒数に穴が開き、しかも別日に埋め合わせをするわけですから、非効率な講座組になります。
例えば1対3(1名の講師に対して3名の生徒を担当)の個別指導なら、4名の講師に対して生徒が12名予定していたのに、欠席者が3名出れば授業生徒は9名。本来は講師3名で済むはずの人件費が4名かかります(さすがに当日になって講師に帰ってもらうわけにはいきません)。
しかも休んだ3名は別の日に授業をするわけです。すでにある空席から選んでもらっても振替が多ければ消化しきれず、しわ寄せ(新たに講師を呼んで消化する)が出ます。あるいは教室長が担当授業数を増やして消化するしかありません。
こうやって予定外の人件費や時間をかけ続けると、必ず運営に支障が出ます。
振替に慣れてしまう
生徒も安易に振替ができることを知れば、「遊びに行きたいから振替の電話をしておいて」などもできてしまいます。親としても別日に授業ができるなら文句はないのでしょう。こうやって勉強に対して意識が低くなれば成績アップなど臨めません。
人間誰もが弱い心を持っています。こちらが良かれと思いサービスしていても、それが安易な道への誘導となり結局子どものためにならない、というわけです。
振替は「前日までの連絡を必須」とする
ではどうするか。
振替ルールを徹底しましょう。
当塾では「どんな理由で合っても、前日までの連絡」を振替の条件としています。体調不良も生理痛も、すべてです。(ただしコロナなど感染症・台風などを除く)
理由によって振替の可否を決めても、真偽を確認しようがありません。
席の案内はあくまで空席から選択してもらいます。LINEで画像を送り、選んでもらいましょう。
(授業中の申し出も不可としましょう。授業をストップしなければならないので)
自習席を利用して埋め合わせ
授業当日に連絡をもらった欠席分はどうするか。
自習席に呼んで対応します。
その回の宿題の採点や追加練習・テストは自習席を予約してもらい、自己採点をしてもらいます。授業と同じだけの時間をフルに使って勉強してもらいます。解説は次回の個別指導でまとめて実施。このあたりのフローは座席に貼りだしてもいいと思います。
これなら、親御さんとしても「休んだ分も塾に通って勉強している」わけですから、代替案としては受け入れられるはずです。
必ず入会時に「書面」と「口頭」で説明
重要なのは、これらのルールを「入会時に口頭と書面の両方で説明」したうえで、入会誓約書にサインをいただくということです。
あとになってから「聞いてなかった!」とならないように。万が一、振替ルールに納得してもらえなかったら残念ですが未入会ということで。
例外を作るとトラブルの元なので、ここははっきりとさせましょう。または新ルールとして始めるなら年度末面談の際に全配布し口頭説明がいいと思います。
個別指導において振替の運用は人件費にかかわる重要なポイントです。とにかく効率的に、手間をかけずにいきましょう!