マイクロ法人作って社会保険料が75万円安くなった話

資産を守る

国民健康保険料90万円を何とかしたい

個人事業主で利益を出すと、とにかく国民健康保険料が気になります。こちらは、ある年の僕の保険料です。

ざっと、内訳を書くと・・・

①売上 900万円
②経費 180万円
③青色申告控除後の所得(①-②-65万円)655万円
④基礎控除後の所得(③-43万円×2名)569万円

この④に対して、国保の保険料が決まります。

うちの自治体ですと、

①所得割(④×13%)74万円
②均等割(4.3万円×2名)8.6万円
③世帯別均等割 4.2万円

以上、合計の保険料は86.8万円です。妻の所得割が加算され、実際は画像のように約90万円

北海道のuma
北海道のuma

・・・しんどい。

国保の保険料は所得税のような「所得控除」が効きません。また、会社員の健保のように会社側が半分負担してくれるわけでもないので、かなり高額になります。

うまいことできんのか・・・と思い、色々調べてみると

「マイクロ法人」

というワードに出会いました。

マイクロ法人ってホントに大丈夫なの?

マイクロ法人ってペーパーカンパニー臭というか、脱法行為のような臭いがしますよね。でも検索すると、税理士サイトや会計ソフトの公式ページにも書かれているので安心です。

副業を法人化し、本業は個人事業主として別業にします。社会保険料の節約が目的ではなく、副業も法人化してガンバルよ!という体です。

法人化する副業は何でもOK。売上が少しでも上がれば赤字決算でもやむなし。

マイクロ法人とは?作り方や個人事業主の節税・メリットを簡単に解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
マイクロ法人とは、フリーランスや個人事業主が節税のために設立する法人です。マイクロ法人を設立するメリット・デメリットや作り方をわかりやすく解説します。

なぜ社会保険料が安くなるの?

簡単に説明すると、「マイクロ法人から低額の給料をもらって健保に加入(国保から脱退)」です。流れは以下の通り。

・本業とは別業態の会社をつくる(株式会社より合同会社が安くて簡単)。
・その法人から給与を受けることで「厚生年金」「健康保険」に加入。
・これで「国民年金」「国保」から脱退できる(保険証が届いたら役場で脱退手続き)。
・法人からの給与は最低限にして、健保の保険料を最安の区分にする。

国民年金をのぞく年間の健康保険料は、会社負担分も合わせて約15万円!(自治体による)

北海道のuma
北海道のuma

75万円も安くなった!

僕は月額報酬(給与)を12,000円にしています。厚生年金・健康保険の個人負担分が払えるギリギリの額だからです。

自治体によって、社会保険(厚生年金&健康保険)に加入するための条件として「月額報酬いくら以上」という縛りがあるようです。年金事務所に電話確認しましょう!(うちの自治体では、その縛りはありませんでした)

国保から健康保険へ切替中、保険証が届くまでの間に病院に行く場合、病院窓口で「国保から切替中です」と伝えた方が、医療機関は助かるようです。

高額療養制度の最低区分になる

マイクロ法人からの給与所得が低いので、高額療養制度の自己負担限度額が最低区分になります(個人事業主としての収入とは無関係)。

月額の医療費自己負担額上限が、自治体によって若干差はあるものの約6万円。これがあれば、入院保険など入る必要がありませんよね。

北海道のuma
北海道のuma

1か月近く、妻が入院したときは本当に助かりました!

マイクロ法人のデメリットは「手間」

デメリットはこちら。

・設立の手間とコスト(合同会社で4万円)
・法人地方税(赤字でもかかる均等割が毎年8万円※自治体による)がかかる
・年金事務所や市役所への書類提出と仕訳や決算の手間

手間がかかりそうですが、書類提出は最初だけ。決算や仕訳も本業ほど手間はかかりません。

節約できる保険料を考えると、十分やる価値ありますよね。しかも扶養家族がいればなおさら、メリット大きいです!

あと、iDeCoの掛け金上限が減ってしまうのも注意しましょう。(国民年金加入者だと68,000円ですが、厚生年金加入者は23,000円です)

超簡単!マイクロ法人の作り方

このサイトにポコポコ入力していくだけ。またまたfreeeさんの登場です。

freee会社設立 - 自分でも安心、簡単に設立手続き
会社設立・法人登記の必要書類は、自分でもサクサクと無料で作成できます。設立後の手続き書類もまとめて完成!わからないことは無料相談できて、設立完了まで安心サポート!

とにかく簡単で感動します。(昔、株式会社を作ったときはもっとコストも時間もかかりました)

事前に準備しておくのは、

・ハンコ(個人のものでOK)
・マイナンバーカード
・電子定款の保存用CDR

マイナンバーのリーダーを買っておくと便利です。確定申告でも使えます。スマホでもできますが、作業をサクサク進めたい方にオススメです。

電子定款も電子申請もすべて、freeeのサイト上で完結できます。

年金事務所への書類提出だけはfreee上ではできません。直接持ち込みました(郵送も可)。ウェブサイトで最寄りの年金事務所をチェックしてみてください。(書式もアップされているはずです)

必要書類は以下の2点。

・健康保険・厚生年金保険 新規適用届
・健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届

2つ目の方に「70歳以上」と書かれていますが、70歳未満でも同じ書式を使用します。記入の仕方がわからない項目は、窓口に提出の際に確認しながら(または電話で確認しながら)がよいです。郵送での提出もOKですが、不備があった場合は再提出になることも(結構シビアです)。

結局、動き始めてから法務局への登記が完了(履歴事項全部証明書が届くまで)に1週間程度。あっという間。

freee側に5,000円払うサービスですが、申請の手間を考えるとめちゃくちゃお得です。

北海道のuma
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行政書士にお願いしたら高いですよ!

マイクロ法人は本業とは別業種で

本業と同業種での設立はNGです。それでは「なぜ分ける必要あるの?」って税務署に突っ込まれます。

売り上げの付け替えなど、決算の不正もできかねないとみられるのでしょう。

あくまで本業とは別業種で。そして「副業もきちんと(1円でも)売上が立つ」よう、実態のあるものにしましょう。アフィリエイトでもメルカリ転売でも、なんでもいいので手軽に始められるもので売上をつくりましょう。