個人塾が生徒を増やすには

塾経営

学習塾の独立開業を支援するumaです。北海道で学習塾勤務10年、ワンオペ個別指導塾15年やっている大ベテランです。独立して悠々自適な生活を手に入れました。

このポストは「ワンオペ個人塾」「個別指導」を想定しています。そして目指すのは「25~30名の塾生でも十分利益が出る」「売上年間900万円・利益720万円」としています。一斉指導塾の場合も、ある程度参考になるかと思いますのでぜひご覧ください。

生徒0名からスタート・独立開業の時期

新聞折込チラシのタイミング

折り込みチラシをシーズンごと(春夏冬)に3回・3年程度、同時に近隣住宅にポスティングをします。ポスティングは1000件巻いて1件でも問合せがくればラッキーくらいの率。塾生がいないので時間もあるでしょうから、近隣のロケーションを知る目的もかねて自分の足で練り歩くのをおすすめします。

折り込みチラシの作成についてはこちら↓

学校前のチラシ配りの効果は?

学校前のチラシ配り(門配)は地域の特性によって実施の可否を決めます。ただし、門配は「顔を知ってもらうもの」くらいに割り切りましょう。そこからのお問い合わせはほぼありません。たくさん配ることを目的とせず、生徒に気軽に声掛けし顔を知ってもらうくらいの位置づけです。(なので優先度低いです。僕は開校時の数回しかやりませんでした。)

お問合せがあれば、面談アポをとります。もちろん「生徒との3者面談」でニーズを聞きつつ必要な提案をし「体験授業を設定」します。顔を合わせ、教室を見てもらいコミュニケーションをとります。第一印象は重要です。教室は常に整理整頓し、特に玄関回り・面談スペースは清潔にしておきましょう。

固定電話の契約をするなら「ボイスワープ」必須

開校時のお問合せは電話応対が多いと思います。四六時中、電話機の前に居られるわけではありませんので、スマホに転送されるようNTTのサービス「ボイスワープ」を契約しておきましょう。外出時や帰宅時の電話応対は大変ですが、開校時は1件でも取りこぼしては大損です。

留守録でもいいのでしょうが、録音に声を入れてくれる保護者は稀です。大半は他塾と比較するために複数の塾に問い合わせます。リアルタイムで対応できない塾はその時点で出遅れてしまいます。1~2年はスマホを常に持ち抱えての生活を覚悟しましょう。

ちなみに固定電話を契約しない戦略もあります。開校2年をめどに検討してはいかがでしょうか。

友人紹介のポイントは「保護者コミュニケーション」

1名でも入塾となったら、「友人紹介用封筒」に塾のお知らせを入れ(カラー出力した案内)生徒に配布します。新しい塾なので生徒も帰属意識が高く、周りに気にしている子がいるかもしれません。仲のいい友人に渡してねと必ず声掛けしましょう。また、授業中に生徒が「他の友達もお知らせ欲しいって言ってる」と言い出すかもしれませんので、すぐ渡せるよう封筒は前もって余分に作っておきましょう。

保護者紹介はいかに普段からコミュニケーションが取れているかがカギになります。入会時には今後の報告を口実にLINE登録してもらい、入塾後は授業報告は「少量」でも「頻繁に(しつこくならない程度に)」しましょう(LINE登録はすぐにできるよう、名刺にQRコードを入れておく)。

生徒数が少ないうちは授業報告がしやすいと思いますが、一方で生徒数が増えてきたときにあからさまに「報告が減った」とならないよう気をつけましょう。クレームの原因となります。

北海道のuma
北海道のuma

生徒数ゼロから始めるのも、やりがいあってイイですよね!

生徒15名から・生徒の増やしかた

最初からモチベーションの低い子は入会させない

引き続き「紹介」を募りながら増員を目指します。講習会ごと・定期テストごとに問合せがあると思いますので、問合せがあればできるだけ早い日程で面談設定しましょう。ただ、どんなに急いでいても「即入会」にはせず、面談と体験授業を挟めるのをおすすめします。稀に「やる気のない生徒が無理強いさせられて教室に来る」場合がありますので、そのときは「力になれそうにありません」ときっぱりお断りしましょう。教室には「秩序」と「勉強をする」という空気の醸成が必要です。邪魔になる生徒は最初から不要です。

成績アップだけではなく「成果が伝わっているか」

学習塾である限りは「成績アップ」が何よりも必須条件です。生徒がやりがいを感じつつ、結果につながっていけば保護者へのアピールにもなります。ただ、気を付けたいのが「得点を上げているから大丈夫」と「こちらが評価」していても、「保護者の評価」が乖離している場合があることです。

例えば合計点が伸びていても「数学だけが下がった」など、欠点を1つでも見つけてはそれを気にする(子どもに指摘する)親も少なくありません。定期テスト前の塾の様子を報告しつつ、テスト後は「いかに努力が結果に結びついたか」を塾での様子と絡めて報告(アピール)しましょう。「そうか、前よりも良い状況になっているんだな」と親に感じてもらうことが大切です。

生徒25~30名で「締切」

希少性を演出

定員になったので新規募集を締め切ることを、ウェブサイトやLINEで塾生保護者へ一斉送信します。希少性をアピールしながら「あぁ、この塾は人気があるんだな」「早く問い合わせないと入れない塾なんだな(早く入っていてよかった)」と塾生保護者含め市場に認知させていきます。これを数年繰り返せば、地域でも特定の地位・評判の立つ塾でいられます。

定員になれば、これ以降年度末まで増員にとらわれず今来ている生徒の成績アップに全力を挙げられます。個人塾の醍醐味であり、塾人としての「やりがいと達成感を感じられる日々」が到来します。

塾選択の決め手は「誰に教えてもらうか」

派手な演出や立派なパンフレット・建物は不要です。謙虚さと誠実さを忘れず、努力を積み上げていってください。時間はかかっても、良い塾なら評判がさざ波のように広がり生徒が集まってきます。

北海道のuma
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うちは初年度、生徒数12名でした。

教務力はもちろん「人間性」が重要です。「何を教えてもらうか」以上に「誰に教えてもらうか」は、生徒にも保護者にも大切な塾選択の決めてです。

個人塾はこの点、大手より有利です。何せすべての生徒を直接担当できるのですから。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。