必ずロケーションと開校タイミングを見て、契約の話をしましょう。
学習塾の教室開業はあせらず、まずは契約前にこちらのチェックリストで確認を。
不動産屋を通したほうが安全
都市部であれば、不動産屋さんに物件を探してもらいますよね。でも田舎でしたら、実際に自分の足で見てまわり、貼り紙に書いてある大家さんの電話番号に電話をして直接交渉したり、「空いているかな?」と思われるテナントの隣の家にうかがって大家さんの連絡先を聞いたり、そこが大家さんで直接話を進めたり・・・と、不動産屋さんを通さないで契約の話をするやり方もあります。
ただ、やっぱり不動産屋さんへの仲介手数料がかかっても、不動産屋さんを通して契約したほうが無難です。
その後の細かい条件面の交渉を直接大家さんとすると、へそを曲げられて「だったら貸さない!」と言われればそれまで。僕は前職でたくさんの教室の立ち上げにかかわってきましたが、印象としてまず「大家さんは気難しいもの」と思っておいたほうがいいです。ごくまれに親切で協力的なひともいますが、レアケースです。
不動産屋さんにとっては「貸し手」も「借り手」もお客さんです。大家さんの様子や事情も把握していますから、こちらのニーズを聞いたうえで、どこまでこちらの希望を飲んでくれるか・大家さんの持ち出しで修繕などしてくれるか等の相談にのってくれます。
学習塾テナント契約は「居抜き物件」を狙う
やはり初期工事費がどれだけかかるかが重要ですよね。スケルトン(壁紙なし・コンクリートうちっぱなし)の状態で借りると初期工事がべらぼうに高くなり、また退去時は初期状態に戻す必要があるため、さらに費用がかかります。
なので、居抜き物件(前の借り手が残した内装や設備がそのまま)が理想です。前の借主が学習塾なら最高ですし、事務所使用であればそれほど大がかりな工事は不要だと思います。
ただ、注意が必要なのは
・契約条項は熟読する(とくに退去時の条項)
という点です。僕が苦労したケースでは、現状渡しで借りたのに「退去時は天井・床タイル・壁紙は退去時に新品にする」というのがありました。結局、退去時に敷金3か月分の中で納めてもらいましたが、このような借り手に不利な条項が入っているのを見逃さないようにしましょう。
壁・床・天井を「現状渡し」で借りるなら、当然「現状渡し」で返さないと不公平ですよね・・・
上記のケースは駅近雑居ビルの「商業テナント」だったのですが、住宅地の貸テナントであればもう少しシンプルな契約書だと思います。(住宅賃貸のような、敷金1か月の物件)
看板取付の事前許可は必須
正面玄関の上や状況によっては突き出し看板をとりつける必要があります。難しい場合は、正面が全面ガラスならカッティングシートを貼ることで看板と同様の宣伝効果があります。ただしカッティングシート貼りの場合、不在時にシャッターを閉めておくタイプのテナントであれば見えなくなり宣伝効果がありません。ご注意を。
看板取付は契約前に大家さんに許可をもらいましょう。前の借り手が残していった電気配線があれば、工事も少し安く済みますし、突き出し看板が残っていれば、表面のアクリル板を変えるだけで済みます。借りる前にチェックしましょう。
看板は照明で照らすか内部から電気をともす電飾タイプがあります。いずれもタイマーをかませることで不在時もライトアップして無駄なく宣伝できますので、実際に工事依頼するとき業者にお願いしましょう。
(↓こんなやつです。)
テナント契約は1か月前が理想
やっぱり無駄な家賃は払いたくないですよね。
3月開校を目指すなら、1月中に交渉をはじめ、2月から契約(テナント料発生)が理想です。契約が済んだらすぐに工事業者に内装工事を依頼しましょう。
前職を退職する前に同時進行で動かなければならず、時間がないかもしれませんね。それでも「午前中」や「土日」に動いて、有休消化期間に準備を終えるのを目標に積極的に進めましょう。
できれば相見積もり(2社に見積もりを取ってもらい、安いほうに依頼する)で、持ち出しを抑えましょう。看板なんかは業者によって3倍近く違ったりします。
トイレは安全か
子供たちが使うトイレは安全でしょうか?
というのは、商業テナントの場合、共用トイレになっていることがあります。教室から出てトイレまで遠かったり、他のテナントの方と生徒が顔を合わせたりするのはちょっと心配です。また、トイレを汚したり何か壊したりしてトラブルになるのも不安ですし。やっぱり自前のトイレがあるテナントがいいです。
ごくまれに、いまだに「和式トイレ」だったりします。いまどきの子供は和式を使ったことがないので、やめておきましょう。